第33回 以下に挙げた因子のうち、血流停滞にあてはまらないものはどれか? ほか3問
認定試験対策ゼミナール -脈管専門医・血管診療技師・脳神経超音波検査士-
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執筆者:春田直樹(仁鷹会たかの橋中央病院 血管外科部長)
監修:松尾 汎(医療法人松尾クリニック理事長・松尾血管超音波研究室室長)
今回の予想問題出題のねらい
わが国における肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)と深部静脈血栓症(deep venous thrombosis :DVT)の発生率は、10万人あたりそれぞれ12.6人、19.2人とされ、欧米でのPTEとDVTを合わせた年間発生率10万人あたり104~183人と比較し少ないが、それでも年々増加傾向にあり、その要因として高齢者の増加、がん患者数の増加、生活習慣の欧米化や肥満人口の増加などが挙げられている。とくにCATと呼称される、がん関連血栓症(cancer-associated thrombosis:CAT)の治療にあたっては、多くの背景を考慮する必要がある。がん患者は、血栓が形成されやすいと同時に出血もしやすい集団であり、さらに血栓性素因の影響は静脈だけでなく動脈血栓にも配慮しなければならない。そこで今回、CATを含む静脈血栓症の疫学に関する出題をした。