認定試験対策ゼミナール -脈管専門医・血管診療技師・脳神経超音波検査士-
尾崎俊也(社団医療法人トラストクリニック 臨床検査課長)
今回の予想問題出題のねらい
今回はCVT認定試験に必ず複数問は出題される脈管の解剖について記載しました。解剖を理解し習熟するには、脈管の名称だけでなく、走行順、分枝血管、周囲の脈管、および臓器との位置関係、さらに脈管の支配組織などを総合的に学ぶ必要があります。
受験者へのアドバイス
脈管の解剖を習熟するには、いわゆる「超音波検査テキスト」に記載されている情報だけでは不十分です。必ず「解剖学」と書かれた専門書を紐解き、幾度となく読み返し正しい知識を身に付けて試験に臨んでください。
■予想問題
■問題1 動脈走行の解剖で正しいものはどれか?
解答1 ③
①眼動脈は外頸動脈ではなく、内頸動脈の第一分枝で視神経管を通り眼窩に至り、網膜中心動脈を分枝する。
②後大脳動脈は、1本の脳底動脈から左右に分岐する。後交通動脈は後大脳動脈と内頸動脈を交通しウイリス動脈輪の一部を形成する。
③胆嚢動脈は右肝動脈から分岐する。
④腎動脈は実質内を葉間動脈、弓状動脈、さらに小葉間動脈と走行する。
⑤膝下動脈は前脛骨動脈と後脛骨動脈に分岐し、腓骨動脈は後脛骨動脈より分岐する。
認定試験対策ゼミナール -脈管専門医・血管診療技師・脳神経超音波検査士-
2006年、血管外科学会、脈管学会、静脈学会の3学会構成(2014年からは日本動脈硬化学会も構成学会の一つとなる)による血管診療技師認定機構が発足し、日本におけるCVT(血管診療技師)が誕生した。発足から着実にCVT者数は増え、日本にその地位は根付き、活動の幅をどんどん広めてきた。そして『Vascular Lab』も、CVT誕生からの10年間、その歩みとともにCVTの方々に愛され続けてきた雑誌である。『Vascular Lab』は、いまはその役目をひとまず終えたが、その本誌の中で連載されてきた「認定試験対策ゼミナール」は、いまも変わらず必要としている人が多くおられ、復活を願う声が多く寄せられた。これを受け、同連載を、新しいウェブマガジンで提供していくこととした。
本連載は、血管診療の第一線で活躍する医師や、CVTを取得し全国で活躍する技師の方々に、これからCVTや専門医を取得するために勉強をされる皆さまのために、試験の傾向や対策、臨床で必要とされる知識などを問題形式でご執筆いただいている。
これからの未来、多くのCVT・専門医が全国で活躍し、脈管疾患検査が発展していくことを願う。
324円/1記事(税込)
毎月10日発行(著者および編集の都合により発行が前後することがございます)
筆者プロフィール
土田博光:誠潤会水戸病院/小谷敦志:近畿大学医学部奈良病院/尾崎俊也:医療法人清祥会川上内科/駒井宏好:関西医科大学総合医療センター/浅岡伸光:八尾市立病院/春田直樹:たかの橋中央病院
土田博光/小谷敦志/尾崎俊也/駒井宏好/浅岡伸光/春田直樹ほか