Medimaga|メディカのオンラインマガジン

すべての医療従事者を応援する
オンラインマガジン配信プラットフォーム

第1回 「GROWモデル」を使って、ステップを踏んだコーチングを!

悩めるスタッフ・看護管理者のための “かんたん”フレームワーク思考 入門編

第1回 「GROWモデル」を使って、ステップを踏んだコーチングを!

 「どうしてこの人は同じ誤りを繰り返してしまうの?」 同じ失敗やミスを繰り返すスタッフを前に、そう思ったことはありませんか?そんなときに使いたいのが、一歩一歩ステップを踏んでコーチングしていく「GROWモデル」。あなたの考えを「目的(Goal)」→「現状認識(Reality)」→「手段(Option)」→「計画(Will)」というステップに沿ってスタッフに伝えることで、「同じ誤りを繰り返してしまう」と伸び悩んでいるスタッフもすくすくと成長してくれること、間違いありません。

 それでは、まずはスタッフの困りごとからみてみましょう。あなたはスタッフをうまく育てられていますか?


“GROWモデル:「目的(Goal)」→「現状認識(Reality)」→「手段(Option)」→「計画(Will)」”


〈スタッフの悩みごと〉

自分では、さまざまな状況を考えながら、適切に判断・行動をしているつもりですが、上司からは「また同じ誤りを繰り返している。こんな状態だと大きな問題につながりかねないでしょ」といった指摘を受けてしまいます。それが原因なのかどうかわかりませんが、患者さんと話をしているときに、上司が横から入ってきて話の内容を否定されたり、会議や挨拶などでもあまり目を合わせてもらえない感じがしたりと、上司とうまくやっていくことができません……。(26歳・勤続2年)

〈まずはスタッフの立場を考えてみよう〉

 このスタッフは、自分はつつがなく仕事を進めているつもりなのに、「上司から評価されない。不思議で理不尽だ」と感じているようですね。こういう状況は、看護の現場だけでなく、さまざまな仕事・職種で生じるものですが、だいたい同じような原因があるようです。

悩めるスタッフ・看護管理者のための “かんたん”フレームワーク思考 入門編

 「言われたとおりにしているはずなのに、どうして怒られるの!?」(スタッフの声)「わかっていると思っていたのに、どうしてうまく伝わらないの!?」(主任・師長の声)……病院の理念や看護部の方針のもとで、経営意識をもってコスト管理、人材育成、患者対応、時間管理を行うように求められる師長、主任、スタッフの悩みには深くて重いものがあります.そのようななか、「自分で考えて、動けるようになって」という言葉は、誰もがよく聞く言葉かもしれません。
 では、日常業務のなかでどのように「考えて動く」とベストなパフォーマンスを発揮することができるのでしょうか? そのためには、状況がどうなっているか、相手がどのように考えているのかを知り、自分なりに整理したうえで言動に移していく必要があります。そして自分の考えや話を整理するためには、フレームワーク(考え方の枠組み)を生かした考え方、つまり「フレームワーク思考」を自由自在に使えるようになることが大切なのではないでしょうか。
 このコンテンツでは、大好評を博している『マネジメントの基本概念が図解でわかる 速習!看護管理者のためのフレームワーク思考53』(「ナーシングビジネス」2015年秋季増刊)の著者、組織人事コンサルタントの川口雅裕先生がフレームワークを使った考え方や話し方を楽しくわかりやすく解説します。「フレームワーク思考」を身につければ、コミュニケーションやマネジメントがさらに楽しくなります。よくあるナースの悩み事も「フレームワーク思考」を使ってサラっと解決しましょう!

324円/1記事(税込) 毎月10日発行

筆者プロフィール

川口 雅裕

一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人、NPO法人「老いの工学研究所」研究員

川口 雅裕

京都大学教育学部卒。1988年株式会社リクルートコスモスに入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・研修などに携わった後、経営企画室で広報・経営企画を担当。退社後、2003 年より組織人事のコンサルティング、講演、研修などの活動を行う。一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人、NPO法人「老いの工学研究所」研究員。著書『だから社員が育たない』(労働調査会)、『顧客満足はなぜ実現しないのか』(JDC出版)など。

  • facebook
  • twitter
  • はてなブックマーク