第3回 虚血性心疾患を冠動脈エコーでみる
症例から学ぶ ビギナーのための血管超音波検査テクニック/エキスパートのための血管超音波検査テクニック
心臓・虚血 ビギナーのための
超音波検査テクニック
西宮渡辺心臓・血管センター 臨床検査科・臨床工学科・放射線科統括部長
川﨑俊博
心筋虚血に伴う心筋還流障害が生じると心筋の代謝異常に始まり、次いで拡張障害、収縮障害が起こり、その後心電図異常、症状という順に変化が現れます。壁運動異常が現れるまで10~20秒、心電図変化は30~40秒と報告されています。また回復期の変化は図1の通りですが、虚血後30数時間、代謝異常が残ったという報告もあります。このように虚血変化には順序があり、心電図や心エコー、心筋シンチグラフィなど各検査ではどの部分を観察しているのか理解しておく必要があります(図1)1)。