第13回 バスキュラーアクセスの基礎
症例から学ぶ ビギナーのための血管超音波検査テクニック/エキスパートのための血管超音波検査テクニック
ビギナーのための超音波検査テクニック
東北大学病院生理検査センター
真部美穂/
同センター診療技術部生理検査部門長・三木俊
VAの主な種類糖尿病性腎症の増悪から透析へ移行する患者が増加傾向にある(図1)1)昨今において、バスキュラーアクセス(VA)の管理をエコーで定期的に行うことは、VAを長期的に使用するうえで有用である。エコーは簡便で非侵襲的に行うことができるうえ、機能評価、形態評価を同時に行うことができるため、治療のタイミングや治療法を決めるのに欠かせないツールの一つとなっている。糖尿病性腎症から透析に至る症例においては、すでに心血管系に重大な合併症が起きている可能性があり、VA管理は特に注意を要する。
《非シャント》
・動脈表在化⇒肘やや中枢部の上腕動脈を、皮下まで挙上させる。
・カテーテル法⇒動脈や中心静脈に、直接カテーテルを挿入する。
《シャント》
・AVF⇒自己動静脈をつなげる。日本においては圧倒的に割合が高い。
・AVG⇒動静脈をカテーテルでつなげる。AVFが困難な症例で施行。
AVF(arteriovenous fistula:自己血管内シャント)
AVG(arteriovenous graft:人工血管内シャント)