第12回(最終回) 私たちの仕事、誰かの仕事
心カテスタッフのための“つなげる”マガジン『α』
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はじめに
心カテには多くの職種が関わって仕事をしています。医師をはじめ看護師、臨床工学技士、臨床検査技師、診療放射線技師らのカテ室スタッフに加えて病棟スタッフ、外来スタッフ、救急スタッフ……まだまだ多くの方々が関わり、一つの症例に向き合っています。
では、私たち一人ひとりは何をすべきなのか? どう関わればいいのか?
今回は一人ひとりが症例にどう関わるべきなのかを考えてみたいと思います。
わたしたちの関わりかた
カテ室でのPCI中という設定で考えてみたいと思います。
私たちカテ室スタッフは、まずその患者さんの情報を集めておきます。事前情報収集です。これについては第9回で詳しくお話しました。私たちは患者さんを知り、そしてその情報を生かして症例に臨みます。
例えば、腎機能が悪いという情報がある患者さんであれば、それをカンファレンスやブリーフィング・タイムアウトなどの機会で、その旨を担当するスタッフ全員に伝えます。そのうえで看護師の立場からは輸液管理をいつも以上に厳密に管理します。また放射線技師または2nd(3rd)に入るスタッフは、PCI中に逐一、造影剤量をオペレーターに伝えて、極力造影剤使用量の低減を促します。これは事前情報が生かされた、そしてチームで取り組む、その患者さんに合わせた治療につながっていきます。情報を得ること、そしてそれを伝え共有することは、心カテには必要不可欠です。