広がるつながる バスキュラーナーシング 第8回:「足から始まる地域の多科・多業種連携」「足でつながる他職種連携」ほか
広がるつながる バスキュラーナーシング
足から始まる地域の多科・多業種連携について
社会医療法人喜悦会那珂川病院
血管外科部長
竹内一馬
なぜ足を守る仕組みが重要か?
日本は世界的に見ても少子高齢化が進んでいると言われています。高齢化の原因は人種的なこともあるかもしれませんが、医療においては医薬品や各種医療機器の進歩が著しいことも一因ではないでしょうか。食生活の欧米化による肥満、糖尿病の増加、透析医療や血管内治療の進歩による動脈硬化末期症状の患者の増加、少子高齢化の進行、車などの交通網の発達に伴う運動不足者の増加、小児肥満の増加、舗装道路の増加、情報過多による誤った健康指導など、さまざまな要因から、今後の日本社会において足に何らかのトラブルを抱えた患者(すなわち足病患者)は増加していくであろうことは容易に予想がつくでしょう1)。
よって、このような市民、患者の健康(特に足)を保持することは、医療関係者のわれわれにとって各種検討課題が多いなかにおいても、優先順位が極めて高い項目の一つと考えています。
仕組み作りは仲間作り、地域を守るのは熱い心と人
医療従事者であり医師である筆者にとって、医療のなかの専門分野や知識に基づいて患者を診察し、診断して治療を行うことは当たり前のことです。読者である脈管看護専門の看護師さんたちも、それぞれの経験や知識のなかから、どうにかして患者を救いたい、支えたいと思う気持ちが強いのではないかと思います。