広がるつながる バスキュラーナーシング 第5回:「末梢動脈疾患における血管内治療(EVT)の適応」「末梢動脈疾患におけるカテーテル治療の看護」ほか
広がるつながる バスキュラーナーシング
末梢動脈疾患における血管内治療(EVT)の適応
川崎医科大学総合医療センター
血管外科准教授
森田一郎
末梢動脈疾患(PAD)の血行再建
2007年にTASCⅡが発表されてから10年が経ち、デバイスの進歩に伴い末梢血管内治療(endovascular therapy:EVT)適応にも変化が現れてきました。そこで今回は、最新の末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:PAD)血管内治療の適応を病変領域別に述べます。
大動脈・腸骨動脈領域
本領域の第一選択治療がステント留置であることは周知の事実です。
われわれは、腹部大動脈瘤開腹症例のPAD合併症例、総大腿動脈閉塞・高度石灰化病変を合併している症例以外は、病変の長さにかかわらず、ステント留置を第一選択とし良好な成績を収めています1)。総大腿動脈合併病変に対して、原則、閉塞病変は血栓内膜摘除術を施行し、その中枢病変にはステント留置を行うハイブリッドを選択しています。ルリッシュ症候群では、両側ステント留置ができれば最高ですが、少なくとも1側のステント留置ができれば大腿-大腿動脈交叉バイパスを追加しハイブリッド治療とすることで、良好な治療成績をあげています。