広がるつながる バスキュラーナーシング 第4回:「透析患者の末梢動脈疾患における外科的治療」「透析患者のフットケア」ほか
広がるつながる バスキュラーナーシング
透析患者の末梢動脈疾患における外科的治療
松波総合病院心臓血管外科センター長
熊田佳孝
透析患者において末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:PAD)は、多くの場合、全身の動脈硬化の一部分症として考えなければなりません。元来の糖尿病、高血圧等の腎不全の原因疾患、さらには腎不全に陥ってからの短時間での循環血流量の変動、カルシウム―リン代謝異常により、冠動脈、脳血管、消化管の動脈硬化性病変の進行が早まっている状態です。
動脈硬化の変化も、透析患者では非透析患者に比し、非常にび漫性で高度な石灰化病変となっています。外科的治療も通常以上に困難で、多くの症例でいろいろな工夫が必要となります。