第9回 膝関節の検査法
運動器をエコーで診る!
超音波検査による膝関節の検査では、十字靭帯や半月板の小さな切れ込みなど、判断できない場合もあるが、膝関節症や内外側の側副靭帯、膝蓋腱など診断に必要な情報を教えてくれることも多い。
検査方法
1)膝蓋腱の検査
腱の観察は、膝を軽く屈曲して膝蓋腱を張った状態にして長軸像で観察する(図1)。
近位と遠位の腱付着部と腱自体を観察するとともに、腱後方の滑液包の腫脹の有無も観察する(図2)。
小児の場合、脛骨粗面部は軟骨で覆われ、軟骨内に骨化中心がみられるため、軟骨の腫れや軟骨内の骨化中心に異常がないかも観察する(図3)。
腱の腫れやその他の異常を発見した場合は、短軸像で確認する。
炎症に伴う異常血流の観察は、膝を伸展して膝蓋腱を緩めた状態で、パワードプラ法で長軸と短軸像を観察する(図4)。