第8回 肘関節上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)の評価方法
運動器をエコーで診る!
エコー検査は、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans:OCD)の発見と経過観察に極めて有用な検査であり、発見時の病巣の病期や、経過観察中の病巣の回復と進行の変化を評価できます。 評価は、病変の存在位置、性状、サイズで総合的に行います。
1.性状評価(石崎分類:表1)
OCDの障害は、軟骨下骨表面と海綿骨がそれぞれ障害されることで、エコー像に変化が生じるものと考えています。
大分類は、病巣が軟骨下骨のみに見られるPattern S、病巣が軟骨下骨と海面骨におよんでいるPatternⅠ、海綿骨の病巣が母床から剥がれているが軟骨に離断がないPatternⅡ、病巣が母床から離断し関節内に骨片として存在しているPattern Ⅲ に分類しています。
さらにそれぞれを小分類に分けて評価します。 野球肘検診の際は、大分類だけを使用する場合が多いようです。
Pattern Sは、OCDの初期や修復した後のエコー像、正常の成長過程でも見られる像です。PatternⅠは、保存的対応で修復する可能性があり、PatternⅡおよび Pattern Ⅲは、手術が必要になるためその見分けが重要です。